飲料用浄水システムの設置工事
対象地域
インド:タミルナドゥ州ティルバンナマライ県チェユール町
背景
事業実施地のチェユールはインド南部の大都市チェンナイより南に100キロ程離れた僻村にある。昨今インドは経済発展目覚ましく、特に都市部の経済状況は良好である一方、郊外の農村部にはその恩恵がいまだ届いていない。この地域は塩分を多く含んだ土壌のため農作物が育ちにくく、人々は安定した収入を得る手段が少なく、貧困に拍車をかけている。
チェユ―ルは、何世紀にもわたって‘不可触民’(カースト外の社会階層)と呼ばれて差別を受けている人々が住民の半数以上を占めており、現在も抑圧された生活を送っている。社会的、経済的に恵まれない家庭では、子どもたちは学校に通うことができない。当該地域には、親との死別、物乞いなどの児童労働、親からの虐待など、様々な理由で親の元で安全に生活できない子どもたちがおり、実施団体は1998年からそのような子どものためのシェルター「セントジョゼフ子どもの家」の建設と寄宿する子どもたちの教育支援を開始し、子どもたちが安心して生活を送り、隣接する学校に通える環境を整えてきた。
当該地域の水には塩分が多く含まれており、また近年毒性も確認されているため、井戸からくみ上げた水を安全な飲み水に変えるためには浄水システムの設置が不可欠である。現在使用している浄水システムでは容量が足りず、新たな浄水器の設置が急務となっている。本事業では、「セントジョゼフ子どもの家」に滞在する女子150名および隣接する「リトルフラワー校」の生徒750名および近隣住民が安全な飲料水にアクセスできるよう下記の活動に取り組む。
目的
実施団体が運営するシェルターに高性能な浄水システムを設置することで、メンテナンスのコストを大幅に減らすとともに、飲料水を毎日利用する小中高校、児童保護施設の約1,000人分の飲料水を提供し、安全な飲み水が健康に与える影響について理解を促進することを目的とする。
また、周辺地域の村人はこのような浄水システムを持たず、簡易的な浄水方法で飲み水を作っているが、水が原因で多くの住民が健康状態に問題を抱え診療所に通ってくる。これら近隣の人々にも安全な飲み水を提供できるようになることも目的とする。
事業内容
1.浄水器の設置のための事前調査
2.浄水器の設置工事
3.浄水器設置後の水質管理
4.学校での保健衛生指導・健康診断