奨学金プログラムの保護者・奨学生に対するジェンダー・センシティヴィティについての意識向上事業
対象地域
フィリピン:ケソン州アラバット島ペレーズ地区
背景
本事業の対象地域ペレーズ地区は、約2,600世帯(人口12,000人)が暮らす地域で、主な産業はココナッツと零細漁業である。実施団体は、2009年から小学生を対象とした奨学金プログラムに取り組んでおり、2016年度は185人の奨学生を支援している。今井基金においても、この奨学金プログラムに関連して、2012年以降3回にわたり子どもの権利についての研修や意識啓発を支援してきた。
しかしながら、対象地域では、ジェンダーの問題(女性への家事・育児の役割の押しつけや家庭内での女性への軽視・暴力)と、それに付随する主に男児への暴力の連鎖や父親の就学への無理解による子どもの退学などの課題がのこっている。そこで、本事業では、保護者会(181人、うち男性9人)、奨学生会(106人、うち男子55人)、子どもの保護に関する村評議会(11人、うち男性2人)を対象に、次の活動を行う。
目的
事業の対象者が、ジェンダー・センシティヴィティに関する意識と感性を向上させることを通じて、女性・男性の個人としての権利が尊重され、女性・男性・子どもたちが差別や暴力から解放される家庭、保護者会・奨学生会、コミュニティを創りだす主体として、考え、行動し、協力しあう状態を実現すること。
事業内容
1.奨学生会・保護者会の支部会議の組織化(年5回)
奨学生会・保護者会の規約やガイドラインをジェンダーの観点から再検討する
2.ジェンダー・センシティヴィティについての研修(対象:担当スタッフ、事業対象者)
外部講師を招き、@担当スタッフ、A保護者会・子どもの保護に関する村評議会(5回)、B奨学生会(4回)のそれぞれを対象に、研修・セミナーを行う。
3.ジェンダー・センシティヴィティについてのパンフレットの作成・配布(250部)
4.「子どもにやさしいコミュニティづくりのための委員会」の編成と村議会との定期協議