カンボジア・スヴァイリエン州タナオコミューンにおけるベトナムへの出稼ぎによる子どもの人身取引及び児童労働防止プロジェクト＜2年目＞
対象地域
カンボジア：スヴァイリエン州コンポンロー郡タナオコミューン
背景
ベトナムへの違法な出稼ぎが多く行われている農村地域では、子どもが親の出稼ぎに同行して児童労働・人身売買などの被害に遭っている。出稼ぎ経験者や最貧困層の村人を対象に生計向上・意識改革を行うことで、出稼ぎに出る必要のない社会の形成をめざす。
目的
- タナオコミューンの子どもたちが、ピア・エデュケーションを通じて、「子どもの権利」や人身売買・児童労働の危険についての知識を身に付け、自分自身や周りの子どもたちを危険から守れるようになる。また、互いに協力し学び合うという風土がタナオコミューンに根づく。
- ピア・エデュケーターが次世代のリーダーとして育成され、ピア・エデュケーションが継続されていく。
- 子どもたちの保護者や地域のおとなたちへの啓発活動を通じて、「子どもの権利」と教育への理解が深まり、子どもたちが毎日学校に通えるようになり、子どもたちの活動が地域住民のサポートによって継続されていく。
- 子どもたちが積極的に声を上げたり、意思決定の機会に参加することで、子どもの視点が地域社会に取り入れられる仕組みが確立する。
事業内容
1．啓発活動
（1） ピア・エデュケーター（PE）による教育を受ける権利や違法出稼ぎ・児童労働・人身売買の
危険等についての啓発活動
（2） 9カ村で結成した『子どもクラブ』による活動のサポート
（3） 各村の保護者・成人との会合と啓発、学校訪問・家庭訪問を通じた通学・出稼ぎの現状
把握、児童労働の高リスク家庭への働きかけ
2．図書室・多目的ルーム（CFS）の運営管理
（1） 地域住民で構成される運営管理委員会と、『チャイルド・フレンドリー・スペース』（CFS）
（コミュニティ・センター内の図書室と多目的ルーム）を共同管理
（2） CFSにおいて行われるPE・子どもクラブメンバーによる会合、啓発イベントのサポート
3．ネットワーキング
（1） 「タナオコミューン農業組合」とコミュニティ・センターの運営管理連携、情報交換
（2） コミューン評議会への参加
（3） 各小学校の運営モニタリング（コンポンロー郡教育局と協働）
（4） コンポンロー郡「子どもと女性の問題に取り組むコミューン委員会」（CCWC）の月例会参加
4. モニタリング・評価
（1） 理事・スタッフによるモニタリング・情報収集
（2） 2014〜16年上期の活動についての外部評価
（17年度以降の事業計画：活動のハンドオーバー計画の策定）
