奨学金プログラムの奨学生会・保護者会のエンパワメントと村議会の能力強化を通じた、子どもの権利と福祉の向上事業
対象地域
フィリピン:ケソン州アラバット島ペレーズ地区ビリヤマンサノスール村
背景
実施団体は2012・13年度に今井基金から助成を受け、子どもの権利と福祉に関するセミナーや研修旅行の実施などを通じて保護者会・奨学生会のエンパワメントを進めるとともに、「子どもの保護に関する村評議会」(BCPC、フィリピン大統領令603号に基づく)のメンバーの啓発を行った。同評議会を実際に機能させることを目標に活動した結果、村議会が「子どもに優しいコミュニティ」宣言を採択し、BCPCの組織構造と行動計画を採択し、特に子どもや女性に対する暴力に関する施策が具体化され実行されたなどの成果を生み出すことができた。 しかし、その他の課題についての行動計画策定・実施は不十分である。
2014年度は、町部においても、保護者会・奨学生会向けセミナーを継続し、過年度の活動の総括的振り返りを行った結果、@住民がBCPCに対し主体的に意見を提出する仕組みが必要であること、ABCPCの機能化に特化した能力強化が必要であること、という結論に達した。本事業では、この二つの課題に取り組むことで、子どもにやさしいコミュニティ建設に向けた仕組みと人材づくりを行う。
目的
本申請事業実施地域の子どもたち(乳幼児から就学年齢の子どもたち)の権利と福祉が向上すること。
そのために、
・奨学金プログラムの奨学生や保護者をはじめとする地域住民が主体的に取り組むこと
・事業実施地域の「子どもの保護に関する村評議会」(BCPC)が自律的に機能すること
事業内容
1.「子どもの保護に関する村評議会」(BCPC)メンバーとの会議(毎月第3週)
2.保護者会・奨学生会の役員・委員選出、「子どもに優しいコミュニティづくりのための委員会」
発足、会議(毎月第2週)
3.「子ども集会」「保護者集会」セミナー(テーマ:リーダーシップの課題−参加型運営(7月)、
政策・政策づくり(8月)、コミュニケーションと書類作成(9月)、子どもと女性に対する暴力に
関する法律(12月)、子どもの保護プログラム(1月)、人間の行動と組織(2月)
4.「委員会」とBCPCの定期協議(4回)
5.中間事業評価、マニラ首都圏でフォーラム「BCPCの強化プロセス」開催(10月)
6.日本側事業実施責任者現地訪問・モニタリング(11月)