アースアートプロジェクト イン プーガ 2014
対象地域
インド:ジャンムー・カシュミール州レー地区ナング村、プーガ村
背景
インド北部の高山地帯ラダック地方では、7部族 5,000人の遊牧民が、パシュミナ山羊を放牧して移動生活を送っている。遊牧民の子どもが教育を受けられるよう、6年前に寄宿舎学校が建てられた が、就学率は25%と低いうえ、予算不足などで教育環境は十分でない。
実施団体は、2010年からインド国内2州(ビハール州、マハラーシュトラ州)の2つの小学校で「ウォールアートフェスティバル(WAF)」という芸術祭を行ってきた。このうち、2011年度、2012年度は今井基金からも助成している。学校の白い壁に、日本やインドの 芸術家と、子どもたちによる壁画を制作し、それを一般公開するという、学校の子どもと地域の人びとを巻き込んだ芸術活動である。実施後に入学者の数が増えたほか、内向的だった生徒が快活に授業に参加するようになるなど、前向きな変化が表れている。
本事業では、インド最北部の高地にある学校で、地域住民を巻き込んだアートプロジェクトを行う。会場となるのは、標高5,000メートルにある高地の公立の寄宿舎学校「ノーマディックレジデンシャルスクール」(生徒:118人、教師:17人)、そして同校とラダック都市中心部の中間地点にある公立学校「ナングミドルスクール」(標高3,500メートル、生徒:14人、教師:6人)の2校。本事業を通して、遊牧民の学校・教育についての理解促進、就学率の向上、対象地域についての外部への情報発信などを目指す。
目的
アートプロジェクトを通じて、遊牧民や農村部の子どもの教育環境に注目を集め、保護者に学校や教育の重要性を伝える。最終的には、学校への就学率を高め、子どもたちが教育を受けて未来を選び取る力を得られるようになることを目指す。
さらに、子どもたちがアート活動に参加し、「表現」することや「発信」することを学び・体験することを通して、国際的センス、アートを楽しむ力、自己アピール力、自分を客観視する洞察力などを身に着けることが期待される。
事業内容
1.参加アーティスト、ボランティア(国籍問わず) の公募・選考
2.現地での広報・準備活動
3.ラダック地方でのアートプロジェクトの実施
(標高3,500m、5,000mにある2校で開催)
4.アートプロジェクト実施後のヒアリング調査(学校関係者、保護者、生徒など)
5.成果のまとめ(本、映像)と日本での報告会の開催