モンゴルの公立学校に図書館をつくろう!
対象地域
モンゴル:ウランバートル市バヤンズルフ地区 第92号学校
背景
対象地域のバヤンズルフ地区には、貧困層が多く暮らし、7〜17歳の子どもの54.6%(他地域では20.8%以下)が石炭や薪の路上販売や空き缶・ペットボトル拾いなどの労働に従事している。実施団体が2006年に現地調査を行ったところ、子どもからは「本が読みたい」という意見が多く寄せられ、零下20度以下にもなる長く厳しい冬を迎えるモンゴルの貧困地域の子どもにとって、温かい場所での読書や勉強の確保は時として非常に難しいことが分かった。しかし、公立学校には図書室が設置されておらず、貧困地域の各家庭にも子ども用の本はほとんど見当たらない。
実施団体では、小学校(5年)、中学校(4年)、高校(3年)の生徒約1,700人が在籍するバヤンズルフ地区の第92号学校(公立学校)の裏に、ゲル図書館を建設し(2008年8月)、約2,000冊の書籍を設置して運営を行ってきた。この地域には、貧困家庭の子ども(16歳以下)約3,000人が住んでおり、多い時には月に延べ3,000人以上の子どもが訪れ読書や学習、スポーツをするなど、子どもたちの憩いの場所となってきた。当初からゲルの寿命が約5年であることから、2013年7月までの運営と決め、その間並行して、学校に図書施設の設置と運営をするよう働きかけた結果、学校から図書施設のスペースを確保するという回答を得た。そこで本事業では、同校施設内に図書室を設置するとともに、学校が自立運営できるようルール作りや管理者研修を行う。
目的
第92号学校に通う子どもや周辺地域の子ども約3,000人が、学校に設置する図書室に来ることで、健康的な環境で様々な本に出会い、本を通じて想像力を養い、識字能力を高めるようになること。
実施した活動
1. 書籍集め、購入、納品(計673冊、うち118冊は日本国内で収集し、翻訳)
実施団体が納品した673冊に加え、他の団体から書籍の寄付が寄せられたため、結果として計1,000冊以上の書籍が図書館に設置された。
2. 図書室の備品の購入と搬入
3. 図書室運営のためのルール作り、印刷、研修の実施
学校が主体となって図書館を運営できるように、以前ゲル図書館の運営に携わっていたスタッフとともに、図書館運営のためのルール作り(マニュアル作成)に取り組んだ。