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カンボジア王国スバイリエン州タナオコミューンにおけるベトナムへの出稼ぎによる子どもの人身取引および児童労働防止プロジェクト

特定非営利活動法人 国際子ども権利センタ―

対象地域

カンボジア: スバイリエン州コンポンロー郡タナオコミューン

背景

 人口の8割以上が農村に暮らすカンボジアでは、農村部の生活状況の改善が貧困削減の優先課題である。南東部のベトナム国境沿いに位置するスバイリエン州は、国内でも最も貧しい地域のひとつで、コメの生産高が最も低い州のひとつでもある。土地の生産性が低く、灌がい設備が整っておらず雨水に頼った農業であるため、頻繁に起きるかんばつや洪水の影響を受けやすく、住民は不安定な生活を余儀なくされている。
 本事業の対象村民の多くは、安定した収入を得るために、ベトナムへの違法な出稼ぎを繰り返しているか、過去に違法な出稼ぎをした経験を持っている。スバイリエン州では、1996年ごろからベトナムへの違法労働(とくに物乞い)が確認されており、なかでも本事業の対象地は最大規模の物乞い送り出し地域として知られている。また、違法な出稼ぎに行く住民を引率する者についても、同地域出身者が著しく多いことが明らかになっている。
 ベトナムから送還されるカンボジア人は毎年1,000人前後にのぼり、うち約7割が子どもである。帰還者の多くは、普段はカンボジアの村で生活しながら、定期的にベトナムへ違法な出稼ぎをしている。
 本事業では、違法な出稼ぎをする家族や最貧困層の家族とその子どもたちを対象に、生計向上と意識改革を行うことによって、違法な出稼ぎを止めさせ、子どもが危険な出稼ぎに同行させられる必要のない地域社会をつくることを目的とする。

*当基金では、子どもを対象とした活動の部分について助成する。

目的

児童労働や人身取引の被害にあっている子どもたちの保護者である地域住民の生計を安定させ、貧困を原因とした違法な出稼ぎと児童労働を防止する。保護者に対して子どもの権利と教育への理解を深める啓発活動を推し進め、出稼ぎによって学校に行くことができない子どもたちの環境が改善し、子どもたちが学校に行くことができるようになる。

実施した活動

1. 子ども代表の選抜(小中学生 計49人)

2. 子ども代表への生計向上の技術指導、児童労働への啓発活動
   子どもの教育に関する権利フォーラム(子ども300人、保護者200人が参加)、子ども対象の権利教育、子どもの権利に関するトレーニング、子ども代表を対象とした自己啓発ワークショップを実施した。

3. 子ども代表による定期的な家庭訪問と知識・技術の実践確認

4. 子ども代表からほかの子どもたち、家族への意識啓発
   子ども代表は積極的に他の子どもや大人に、子どもの権利についてに意識啓発を行った。

5. 学校における啓発活動(教員研修)
   行政と連携し、教員に対して子どもの権利教育を行った。