学校におけるトイレ建設、利用促進と衛生的な生活指導事業
対象地域
カンボジア: カンポット州チューク郡トロペアンプレアン地区プレイピエイ村
背景
カンボジアは、アジアの中でも5歳未満の子どもの死亡率が高い。その原因のひとつが、トイレの不足による劣悪な衛生状態である。特に農村地域では、経済的な理由で家庭にトイレを設置できない家庭が多く(設置しているのは1〜2割程度)、屋外で用を足すことが一般的である。そのため、排泄物に含まれる病原菌が人の手などを介して体内に入り、下痢や寄生虫病、風邪などを引き起こしている。小学校の社会科や理科の学習で、衛生的な生活習慣について知識を学ぶ機会はあるものの、実施されていないことが多い。
本事業の対象地カンポット州チューク郡は、国道から離れた山岳地帯で、経済的にも遅れている地域である。本事業では、トイレの設置されていない小学校1校(児童135人、教師3人)において、トイレの建設と衛生的な生活指導を行い、子どもたちの健康状態の改善を目指す。
目的
トイレのない小学校に、トイレと手洗い場を設置するとともに、児童たちが衛生的な生活習慣を身につけることができるようにする。
実施した活動
1. トイレ(1棟3室)、手洗い場(2基)の設置
2. 教師への衛生教育研修(3回)
教師が生徒に衛生的な生活について指導できるよう、授業内容・教材活用方法など
についての研修と教師による模擬授業を行った。
3. 児童への衛生的な生活指導の実施(5回)
衛生的な生活についての指導を行い、不衛生な生活が病気につながることや、トイレ・
手洗いの使用方法などについて説明した。この結果、子どもたちのトイレ利用率や手洗い
場の利用率が向上した。