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貧困層の子どもたちを対象とした奨学生プログラムの奨学生会・保護者会のエンパワメントを通じた、健康な家族生活と子どもにやさしいコミュニティの建設事業(継続2年目)

特定非営利活動法人 アクセス-共生社会を目指す地球市民の会

対象地域

フィリピン:ケソン州アラバット島ペレーズ地区ビリヤマンサノスール・バランガイ

背景

 ビリヤマンサノスール・バランガイは貧しい半農半漁の地域で、就学年齢にある子どもの20%が学校に通っておらず、栄養失調の子どもや、シンナーや麻薬に手を出す青少年もいる。親の世代には、「しつけ」の手段として暴力を振るうことを当然視している人も少なくない。
 実施団体は、この地域で1999年から就学前教育施設の建設・運営を行っている。2009年からは小学生を対象とした「奨学金プログラム」を開始し、奨学生会・保護者会の活動と組織強化や、ワークショップ等を通じた子どもの権利に関する意識の向上を図ってきた。その成果として、2010年度には保護者会メンバーの働きかけによりバランガイ議会で「子どもの保護に関する評議会」*の設立が決議されたが、まだ実体のあるものとしては機能していない。
 今井基金では、2012年度から、保護者会・奨学生会、「子どもの保護に関する評議会」などのエンパワメントを通し、住民のイニシアティブによって地域全体で子どもの人権と福祉を向上させる取り組みを支援している。2012年度は、子どもの権利と福祉に関するセミナーや研修旅行を通じて保護者会・奨学生会のエンパワメントを進めるとともに、「子どもの保護に関する評議会」のメンバーやその他住民の啓発を行い、同評議会を有効に機能させるための行動計画作成などの、活動を実施してきた。2013年度は、引き続き奨学生会・保護者会のエンパワメントを進め、子どもにやさしいコミュニティづくりの推進母体とし、「子どもの保護に関する村評議会」の活動を具体的に進めていくための仕組みと人材育成を行う。

*「子どもの保護に関する評議会」:フィリピン政府が設立を奨励する組織。「児童や青年の福祉、安全、健康、健全な道徳環境および全面的な発育を促進し、保証する諸施策を講ずるべき」とされている。

目的

対象地域の子どもの権利と福祉を向上させる。

実施した活動

1. 奨学生の補習授業
   @4〜5月の夏休み期間:週5日  (学生数:43人)
   A6〜3月の学業期間:毎週土曜日(学生数:99人)

2. 奨学生会・保護者会、その他住民への、子どもの権利と福祉に関する教育・研修を通じた
   エンパワメント
   @保護者会・奨学生会の月例会議の開催(2013年6月より毎月実施)
   A保護者会等を対象としたセミナーの開催(9回、延べ602人参加)
   B奨学生会を対象としたセミナーの開催(4回、延べ225人参加)

3. 「子どもの保護に関する評議会」メンバーを対象にした子どもの権利と福祉を
   テーマとする啓発とネットワーキング
    村評議会が「子どもにやさしいコミュニティ宣言」を採択し、行動計画を採択。
   その後、毎月会議を開催し、「子どもの安全」などをテーマに話し合いを行った。
   また、マニラ首都圏への研修旅行(子ども15人、保護者13人、スタッフ4人が参加)を行った。