• 基金設定者について
  • 当基金の概要
  • 助成事業一覧
  • これまでの助成実績
  • 受益団体からの声
  • 公益信託制度とは
  • 応募するには
  • お問い合わせ
  • サイトポリシー

災害に関するアジア諸国共同トレーニング

国際医学生連盟 日本(IFMSA−Japan)

対象地域

 インドネシア共和国:東ジャワ州マラン市

背景

 アジア地域は世界的に災害の多い地域であり、2010年においても各地で大雨、洪水、サイクロン、地震、津波など様々な災害が発生した。しかし、現在の世界の医学教育では災害について詳しく学ぶ場が少なく、学生の立場で災害医療を学ぶのは非常に難しい。
 実施団体では、「公衆衛生」などテーマごとに6つの委員会を設置している。そのうち、「人権と平和に関する委員会(SCORP)」は、自然災害が起こりやすいアジア地域の医学生とともに、将来の災害現場のリーダーを育てることを目標として、2006年から毎年夏にアジアで共同トレーニングを実施している。また、このトレーニングの修了者が医療従事者となり、災害現場での活動に携わるようになり、各国の医療者間の繋がりができることも目指す。過去に共同トレーニングに参加した人の中には、独立行政法人国際協力機構(JICA)、NGO、世界保健機構(WHO)等でスタッフやインターンに参加するなど、国際協力や公衆衛生に興味を持ち、活動している人も出てきた。
 6回目となる2011年度は、2010年に地震と津波と火山の爆発が同時に発生したインドネシアで「地震」をテーマに、トレーニングを開催する。

目的

@ 自然災害やそれに伴う保健医療に関して医療系学生の意識を高め、教育、訓練
     することにより、人的資源の質の向上を図る。
A 学んだ事柄を母国の医療系学生に広めるよう参加者に働きかける。
B 目標達成のために専門家による講義だけでなく、小グループによる議論を行ったり、
     フィールドワークを行ったりし、知識を深めていく。
C 参加者は母国に帰ってから、得た知識を共有するため、フォローアップ活動として、
     広報や勉強会を行うことを義務とする。


実施した活動

@ インドネシアでの災害に関するアジア諸国共同トレーニング
     (2011年8月、8カ国・地域の医療系学生75人(学生スタッフ含む)が参加)
     <内容>
      地震時/後に発生しうる怪我や感染症についての講義、パネルディスカッション*、実技研修
      *パネルディスカッションでは、事例のひとつとして東日本大震災を取り上げ、
       災害前・発生時・復興時にそれぞれどのような対策が必要であるか議論した。

A 日本でのフォローアップ活動(2011年12月、日本人学生31人が参加)
     <内容>
      緊急時の重症度判定検査の方法や、災害医療が東日本大震災で果たした役割、
      日本の災害対策システム(特にDMAT:災害派遣医療チーム)について学ぶこと
      を目的とし、国立病院機構災害医療センターの視察や講義、ワークショップなどを行った。

成果

いずれのトレーニング・プログラムも参加者の満足度は高く、参加者からは知識とスキルが身についたという感想が得られた。特にBLS(一次救命処置)トレーニング・ワークショップでは、参加者全員が筆記・実技試験を受験し、国際的なBLSスキル取得を証明する証明書を受け取った。