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「ウォールアートフェスティバル イン ニランジャナスクール2012」

ウォールアートプロジェクト

対象地域

 インド共和国:ビハール州ガヤ地区ブッダガヤ スジャータ村

背景

 インドの中でも貧困州に位置づけられるビハール州のスジャータ村近辺の識字率は、50%程度(政府の調査による)である。特に農村部の子どもたちは労働力として農繁期にかりだされることが多いために、教育を受ける権利が十分に保障されていない。収入の少ない親たちは、「日々をどうやって生きていくか」を考えることに精いっぱいである。このような地域がある一方で、インドは「急速に経済発展を遂げている」と言われ、インドに対して一般的に持たれている印象と実態に大きな差が生じている。
 実施団体では、このようなインドの貧困の実態を広く世界に発信すべく、私立の小・中・高等学校「ニランジャナスクール」(生徒数計400名の白い壁に、芸術家と子どもたちによる壁画を制作し、それを一般公開する「芸術祭」を2010年、および2011年2月に開催した。会場となる「ニランジャナスクール」は、保護者の意識変革を促し、子どもたちに教育を受けさせ、将来を設計していけるような教育活動に取り組んでいる学校である。この芸術祭が日本やインドの新聞・雑誌に掲載されて注目されたため、参加する日本の大学生や社会人ボランティアが増え、協力の輪が広がってきている。
 本事業では、2012年2月に開催を計画している第3回「芸術祭」を、現地の受け入れ態勢の強化や参加する芸術家の増加を図ることで、よりアピール性のあるものとし、開催の様子をメディアに取り上げてもらうよう働きかけ、ビハール州の農村部に生きる人々が置かれている状況を、インド国内・日本に発信することを目指す。(公益信託今井記念海外協力基金では、芸術家の制作費や謝礼など、開催費全体の約3割を支援。)

目的

@ 貧困地域にありながらも将来の目標に向かって勉強に励んでいる子どもたちに
     芸術が持つ力を伝える。
A 芸術の力を活用して「芸術祭」を開催し、訪問者やメディアを通じてビハール州
     農村部に生きる人々が置かれている状況を広く伝える。
B 「芸術祭」を通して地域が注目され、交流によって活性化していくことで、現在の
     教育の未整備な部分を解消し、インフラの不足を補う活動に繋げる。

実施した活動

@ 日本人現地コーディネーターが、地元住民による実行委員会を
     組織化する。
     (地元住民55人、日本人53人がボランティアとして現地の活動に参加)
A 「ウォール・アート・フェスティバル2012」を開催(2012年2月18〜20日、来場者:約3,200人)
<内容>
     ・日本人アーティスト浅井裕介による壁画ワークショップ(参加生徒:90人)
     ・日本人アーティスト遠藤一郎による凧に夢を描くワークショップ(参加者:1,080人)
     ・インド人アーティスト アルワール・バラスブラマニアムによる絵の中に宝物を描く
        ワークショップ(参加者:40人)
     ・上記3人とインド人アーティスト ラジェーシュ・チャイテャ・バンガードによる壁画制作
B 日本で報告会やイベントを実施。また、広報活動の中で賛同者を集め、応援団を結成。

成果

「ウォール・アート・フェスティバル2012」の取り組みは、各種メディアに取り上げられ(テレビ放映:10回、新聞・雑誌掲載:12回・4紙)、ビハール州農村部の状況の外部への発信につなげることができた。
ウォール・アート・フェスティバルをニランジャナスクールで3年間実施し続けたことで、学校という場所への住民の注目度が集まり、生徒数が増え、教育の大切さが村人に浸透した。
なお、無作為に抽出した村人240人にアンケートを行ったところ、「大変良かった」と答えた人は219人にのぼった。