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僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援〜子どもの健康改善に向けて〜(継続2年目)

特定非営利活動法人 アプカス

対象地域

 スリランカ民主社会主義共和国:北西部州プッタラマ県アーナマドゥワ郡

背景

 事業対象地である北西部州は貧困率が33.9%と高く、国全体の貧困者の17.6%が生活しており、他州と比べて状況がより深刻である。また、事業対象地の村では、その8割が零細農民であり、日々の糧を得るのが精一杯な生活を送っている。貧困のために家庭の教育への支出は抑えられ、政府は財政難を理由に僻地の学校の整備を後回しにしている。
 実施団体では、2009年度、プッタラマ県アーナマドゥワ郡の学校4校において、本基金の助成を受け、井戸の設置などの支援活動を実施した。2010年度は、同郡において、新たに2校(「マガッレガマ学校」と「ガルカダワラ学校」)で支援活動を実施する。「マガッレガマ学校」では、深井戸はあるが、埋設している鉄製のチューブが錆びており、「ガルカダワラ学校」では、井戸はあるが雨水を貯水する機能しか果たしておらず、2校とも安全な飲料水を確保することが出来ていない。また、学校関係者との対話する中で、飲料水の問題だけではなく、健康全体に関する知識・関心の不足、栄養失調、学力低下等の問題があることが分かったため、本年度は、“飲料水”の確保ととともに、健康改善に向けた取り組みとして、衛生管理指導を行い、家庭菜園を推進する。

目的

 飲料水の確保ができていない2つの学校を対象に、井戸と給水タンクの設置を通じ、継続的に安全な水を供給すると共に、衛生概念向上プログラムと家庭菜園の導入を通じ、子どもたちがより健康に学習活動が行える環境を整える。さらに、活動の中で保護者・教員達との対話を大切にし、共に考え、共に行動することで、彼らの自主性・自立性を高め、他の問題へも自ら取り組む姿勢を醸成し、行政との連携も強化し、地域全体で問題を解決する素地を形成する。

実施結果

@ 小学校2校において水・衛生問題対策部会の発足(5月、6月)と促進、計画策定と情報
     の共有
A 井戸建設・貯水タンクの建設(2校において1基ずつ)
      マーガッレガマ学校 (完成時期:井戸8月、貯水タンク10月)
      ガルカダウェラ学校 (完成時期:井戸10月、貯水タンク10月)
B 衛生概念向上プログラムの実施
     各学校にて、公衆衛生官や医師を招き、次のテーマでワークショップなどを実施した。
       7月  発熱、下痢、予防できる病気について
      10月 応急処置方法について
      11月 歯や目の健康について
C 家庭菜園プログラムの実施 
     栄養失調傾向があると判断された子どもがいる、82世帯(100名)が参加。
     「持続可能な農法」に関するセミナーを行い(2010年11月)、トウガラシやピーマンなど、
     事業実施地域で、発育性のよい野菜の種を配布した(2010年12月)。
     *12月中旬の長雨による洪水が発生し、広範囲にわたって冠水した。参加世帯は種を
         播いたがほとんどが被害を受けたため、実施団体では、2011年2月と3月に種を再度
         配布し、土壌改良の指導を行い、家庭菜園の再開を促した。