フィリピン都市部に暮らす貧困家庭のこどものための奨学金事業
対象地域
フィリピン:サンバレス州 オロンガポ市
背景
本事業実施地であるオロンガポ市の人口は約20万人で、かつては米国海軍の基地があり経済的に栄えていたが、1991年のピナツボ火山の噴火や1992年の米軍基地の撤退を受け、一時雇用や人口が減少した。1994年より再開発が始まり経済も回復してきたが、2004年頃からストリートチルドレンの数は増加している。その理由としては、@雇用形態がパートタイム中心で安定していない A物価の高騰(交通機関は約3倍、食料品は約1.5倍)Bオロンガポ市への人口流入の影響で、スラム住民の雇用機会が低下していることが挙げられる。結果としてスラム街に住む子ども達は、家計を支えるために路上でごみ拾いや物乞いせざるを得ない状況にある。
目的
- 経済的・家庭的な事情により就学が困難である貧困層の子ども達の就学を可能にすること
- 子ども達が持続的に学業を継続できる体制を確立させること
事業内容
- 奨学支援
11地域、500人の小学生を対象に、入学手続き費用支給、学用品(制服・ボールペンなど)支給、出生証明書取得補助などを行う。学校、家庭、地域によるモニタリングを実施し、奨学生の通学状況や問題の改善などについて確認した。 - 事業の継続ができるようにするための就学サポートシステムの構築(地域改善)
日本では、学用品募集システムの構築を行い、現地実施機関NGOでは、自己資金調達のためのリンケージビルディングの強化を行った。