住民による持続可能な健康増進事業
対象地域
フィリピン:南コタバト州 ジェネラルサントス市周辺地域
背景
フィリピン・ミンダナオ島の当事業地域のイスラム住民に共通するのは、「土地なし」であるか、土地があっても狭小で現金収入が極端に少なく、貧困である点である。貧困層が頼りにする公的医療サービスは、医師不足や財政難により低下し、特に最近は対テロ政策の影響でイスラム住民へ偏見があり、さらに医療サービスが受けられない状況にある。当団体は2002年度から現地住民組織と共同で、母子衛生教室や、保健ボランティアの育成、巡回医療の実施、薬草普及などの事業を行ってきている(2005年度及び2006年度に今井記念海外協力基金から助成)。まだ受益者が限定されており、住民自らの手で医療事情を改善するためには、自主財源の創出と保健ボランティアの能力向上が必要である。
目的
- 地域レベルで可能な問題解決の方法を学び、保健ボランティアを育成し、薬草を活用するなど、「村の健康は住民で守る」ことへの自信を住民につけてもらう
- 重点的家族計画研修により、極めて低い女性の地位や貧困など、イスラム住民共通の問題改善を図る
- スタッフ・ボランティアの鍼灸技術の向上と、ハーブ薬増産による自主財源確保により、周辺のイスラム住民のニーズに対応できるようにする
事業内容
- 保健ボランティア(約20名)の鍼灸技術向上研修(全3回)、小規模外科手術技能研修の実施(全2回)(講師は現地カウンターパート団体の看護師と准医師の2名)
- 家族計画研修の実施(5村、計4回)
- トイレ建設と普及活動(20世帯×2村)
- 常備薬センターとハーブ薬の製造施設の整備(薬草技術と指導力を持つ保健ボランティアがいる3村を対象とした)
- 巡回診療の実施(前年度に実施できなかった2村と、ニーズのある1村の計3村を対象とした)