フィリピン・マニラ首都圏の女性を対象とした非感染性疾患予防のための食育による生活習慣改善事業(2年次)
対象地域
フィリピン
背景
実施団体は、2022 年度から5 年計画の「フィリピン都市部の非感染性疾患(NCDs)問題に対して食による予防知識と調理技術を普及させ、健康悪化を理由とした収入減少による恵まれない環境の子どもたちの数を減らす」ことを目的とした事業を構想し、今井基金からの助成を受けて事業を開始した。
2022年度は、Facebookのアカウント「Healthy Daily Oishi Cooking(Healthy DOC)」を開設し、SNSインフルエンサーとして現地で活躍するFumiya氏と連携のうえ、計7本の動画を投稿(5〜8月、テーマ:動脈硬化、糖尿病、心臓病、脳卒中、がん、高血圧、疲労回復)した。加えて、視聴者の行動変容を促すため、各調理動画投稿の間に、レシピや健康に役立つ情報を提供し、視聴者に関心を持ってもらえるよう工夫をしている。2022年9月に現地渡航し、本動画のターゲット層の女性たちに聞き取り調査を行ったところ、フードコンビネーションについて関心を寄せる意見が多く聞かれ、人々の行動変容に結びつけるためには、料理動画の投稿に加え、材料の組み合わせについてさらにわかりやすく情報を提供する必要性が明らかとなった。よって、9月から12月は、健康への啓発を行う投稿に加え、フィリピン視察中に訪問したベジタリアンのレストランや、フィリピンの健康的な食材の魅力に関する情報等を紹介した。
また、実施団体は、2017年から3年間、現地で毎月継続して対面式食育事業を行っていた実績がある(のべ700人以上の女性たちとその家族)。2023年1月に現地渡航し対面式食育を実験的に実施したところ、「SNSの情報発信も参考にしているが、オンラインや対面式で草の根的に教えてもらえると、さらに理解が深まる」との意見が多かった。そこで、女性たちの行動変容に落とし込むためにも、2年目となる2023年度はSNS食育を継続しながらも、オンラインや対面式食育事業を定期的に提供する。
事業目的
- 「SNS食育」を通じて、対象者の食生活や健康に対する関心を高め、非感染性疾患(NCDs)の予防知識の定着を促すことで、健康的な食事や調理を意識的に日々の生活に取り入れるようにする。加えて、友人やその家族にも食生活を変えるきっかけを作り、1人1人が社会全体の啓発を行う状況を創出する。
- 「SNS食育」視聴者の中で、より詳細な情報を求める対象者は、「オンライン食育」や「対面式食育」に参加することで学びを深め、体系的な知識を元に行動変容を起こす。
- 「オンライン食育」や「対面式食育」に参加している貧困地域出身の青少年たちの中から”食育トレーナー”を育てる。彼らが自ら知識を継承し、”食育トレーナー”として働く機会を得ることに伴い、持続可能な食育活動を展開する。
事業内容
1. SNSを活用した食育(Healthy DOCアカウントでの投稿)の継続
2. フィリピン人食育トレーナーの養成(毎月1回、3人を育成)
3. 食育トレーナーによるオンライン食育・対面式食育の実施
(オンライン:月1回、対面:半年に1回、のべ200人参加を目標)