最も低いカースト、ダリットの子どもたちが8割を占めるYouMeスクールビラトナガル校の3、4階増築プロジェクト
対象地域
ネパール:第一州ビラトナガル市バイジャナートプル
背景
実施団体は、ネパールにおいて未来を担う子ども達に対する教育の機会均等を第一課題とし、現状の国公立学校では実現することの難しい「@カースト差別や性差別がない」「AIT教育や英語教育、日本の小学校の良い活動を取り入れている」「B経済的にだれもが通える水準の授業料」の学校(YouMe School コタン学校)を2012年に開校し、2020年度には今井基金から増築のための資金助成を受けた。2017年には2校目となる学校をインドとの国境地帯のビラトナガル市に開講し、2023年1月現在275人(幼3クラス、小5学年、中3学年)が通っている。
本事業対象地のビラトナガル市はネパールの中でも大きな都市のひとつだが、低カーストの貧困層が多く定住している。カースト制は1959年に廃止されているものの、今もなお差別や暴力の横行とその黙認されている。特に、不可触民ダリットは、さまざまな嫌がらせや性暴力、差別などにさらされている。現在、ビラトナガル校に通う9割が下層カーストに属し、うち8割はダリットで、その出自により十分な教育を受けることが難しく、ほとんどの家庭の父親が海外へ低賃金で過酷な出稼ぎに出ている。
本校はコタン校と同様、ネパールでは非常にまれなカーストフリーの学校であるが、2つのクラスが1教室で学ばざるを得ない状況にあり、既に決定している来年度の入学生250名を受け入れるため校舎の増築が必須である。また将来、学校自身が自立し、長く持続可能な状態をつくるためには、校舎を増築し、更にたくさんの子どもたちを受け入れる必要がある。さらに、子どもたちの未来への選択肢を広げるIT教育を満足に提供できるパソコン教室(インターネット環境とパソコンは整備済)や、実験ができる理科室、雨季期間中の運動や行事に活用できる体育館、トレーニング教室、図書室の増築にも着手する。
事業目的
- 質の高い教育を提供することで、子どもたちがSEE(中学校卒業試験)で良い成績を残し、高校や大学に進学する機会を手にし、将来への選択肢を広げる。
- 増築した教室を有効利用し、学校施設の充実、質の高い授業や優秀な教師の採用など、今後の子どもたちの将来だけでなく、地域社会に良い影響を与える。
- YouMe School ビラトナガル校が地域に根差した模範的な学校になることで、ネパール全体の教育水準の底上げに繋げる。
事業内容
1. 事前打合せ
2. 資材の調達・運搬
3. 建設作業員(約10人)の募集
4. 建設(パソコン教室、オンライン交流室、理科室、5教室、職員室、図書室、トレーニング室、体育館)
5. 成果の確認、事業の評価