自然と共生する少数民族の子供たちが、大切な場所や未来を失わず、多様な実践授業を通して生きることを学ぶ「キニティウスクール」構築事業
対象地域
バングラデシュ:チッタゴン管区バンドルボン県ロワンチュリ郡ロントン村
背景
かつては世界の最貧国とされたバングラデシュだが、急激な経済成長で貧困率は改善されつつある。しかし、その陰で開発に取り残されている人々もおり、国の南東部に位置するチッタゴン丘陵地帯もそのひとつだ。当該地域は11ある少数民族の先住地だが、1970年代に政府によって入植政策が行われ、土地や人権等をめぐり20年以上内戦状態となった。1997年に和平協定が結ばれたものの、政府からの支援はいまだ不十分で、現在は人口の7割がベンガル人(入植者)ともされる。外国人入域規制もしかれており、以前に比べれば緩和されているものの、未だに他国の援助機関・NGO等が活動しづらく、同国で最も支援が届きにくい場所といえる。
実施団体は、2019年3月から事業対象地にある少数民族の子どものための寄宿舎学校「キニティウ」(学生数:51人、うち37人が寄宿生)の運営支援事業を開始した。本校は、現地の有志と村人たちによって2010年に設立されたコミュニティスクール(ノンフォーマル)で、当初はコミュニティが運営に努め、その後一度、現地NGOが運営支援に入ったが、財政的に不安定な状態が続いた。また、一時近隣の大型リゾートから、毎月教師2人分の給与が支援される期間が約2年あったが、コロナ禍で停止された。
本事業では、本校の運営や拡充を通じて地域の子どもたちが少数民族というマイノリティであることで抱える境遇を乗り越え、本国や世界で自然保護の知識や実践的なリーダーとなるほどの存在を輩出することを大きな目標とし、本年度は台所・食堂の建設に取り組む。
事業内容
@台所・食堂設備の建設(寄宿生、住み込み教員およびスタッフの朝夕2食を提供予定)