貧困層からのリーダー育成事業 〜Leave no one behind〜
対象地域
フィリピン:セブ州セブ市
背景
フィリピン・セブ島はリゾート地として知られ、経済も成長しているが、貧困格差は非常に大きい。さらに2020年はコロナ禍で世界最長とされる10か月にもおよぶロックダウンが現在も継続されており、20年9月の失業率は40%にのぼり、貧富格差の拡大は避けられない。
一方、すべての学校で対面授業が禁止され、オンラインまたはプリント配布のみで授業が行われている。「公立学校では6割の生徒がオンライン授業を受けられていない」との報道もあり、20年8月の段階で全国の38万人以上の子どもたちが私立学校に通うことをあきらめ、公立校へと転校している。統計にはないが、公立校からのドロップアウト者数は増加傾向にある。このような状況の中で、「コロナで死ぬ前に、飢えで死ぬ」と訴えるほど、貧困層の生活はひっ迫している。さらに子どもたちは、周囲に勉強を教えてくれる大人はおらず、学ぶ意欲を失い始めている。また、経済的に勉強より就労を優先せざるをえない家庭も増えている。
実施団体は、2020年度に今井基金からの助成を受け、貧困問題を解決する未来のリーダー育成に取り組んできた。コロナ禍で当初計画の事業実施が困難となったため、緊急支援に比重を置きながら、教育支援を行っている。国の政策や法律が、施行される数日前もしくは前日に発表されることも多く、予定通りに事業を進めることが非常に難しい。2021年度も、引き続き非常に厳しい状況が継続することが予想されるため、実施団体で支援する奨学生が学習を継続できるための支援を行い、彼らがより困難な状況にある子どもたちを支援するシステムを構築する。
目的
1.子どもたちから未来のリーダーを育成する
2.最貧困層の子どもたちに学びの場と栄養を供給する
事業内容
@大学生10名に対する学習支援
A大学生10名に対する学費の支給
B最貧困地区2か所での学習指導(月2回以上、対象:小中高生25名/所)
C最貧困地区2か所での食事提供(50名×2か所×2回/月)