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ビエンチャン市における障害児用中古車椅子供与による障害児支援事業

特定非営利活動法人 海外に子ども用車椅子を送る会

対象地域

ラオス:ビエンチャン特別市

背景

妊婦や乳幼児の死亡率が東南アジアの中で最も高いラオスでは、出産時や幼児期に発症する脳性まひ、ポリオ、脊椎損傷などが原因で身体不自由児になるケースが多い。

ラオス障害児支援協会によれば、ラオスの人口の1.4%(9.2万人)が障がい者で、うち20歳以下は5.5万人と推定されている。また、20歳以下の障がい児の8割は農村部で暮らしているため、十分なリハビリ治療を受けられていない。

実施団体は、2014年にビエンチャン市の総合病院、リハビリセンター、障がい児家庭を訪問し、関係者から車椅子の実情を聴取した。その結果、障がい児の症状や身体の大きさに合い、筋肉や骨の発達を助長できる医療機器としての車椅子の必要性が痛感された。しかし、ラオスでは障がい児用の車椅子は市販されておらず、製造もほとんどされていないため、入手が容易ではない。

日本では、医療機器としての障がい児用車椅子が国の補助によって定価の1割程度で入手できる状態だが、子どもの成長に伴い3〜5年で買い替えが必要となり、合わなくなった車椅子は有料廃棄処分となっている。

そこで本事業では、廃棄される中古車椅子を収集・整備して安全性と耐久性を確保したうえで、ラオスの車椅子を必要とする障がい児90人に提供する。

目的

1.障がい児の自立
2.障がい児の家族や周囲の人々の負担軽減
3.障がい児と地域の人々との交流の実現
4.日本国内で有償廃棄される車椅子の有効活用

事業内容

1.日本国内での車椅子の収集・整備、ラオスへの輸送
首都圏特別支援学校17校のPTAを通じ、子ども用車椅子の無償提供を受ける。収集した車椅子は洗浄、補習再生等の整備、梱包を経て、ラオスに輸送する。

2.車椅子を供与する子どもの選定
地域の病院や医師、理学療法士が車椅子を必要とする障がい児をリストアップし、ラオス障害児支援協会が次の3点を優先して対象児童を選定する。
@肢体不自由児、重度の脳性まひなどで自力歩行が困難な子ども
A筋肉や骨の矯正が早急に必要な子ども
B貧しい家庭で保護者が経済的・時間的に余裕がなく、通学や通院が困難な子ども

3.子どもへの車椅子の引き渡し
現地保健省関係者や障がい児の保護者を招き、引渡し式を開催する。引渡し式の後には、子どもの保護者や現地ボランティアを対象に車椅子の保守管理について説明し、修理の技術指導を行う。車椅子はラオス障害児支援協会に提供され、当協会から選定された障がい児に対して車椅子が貸与される。