カンボジアの孤児院にいる子どもたちが未来への希望を持てる教育支援事業
対象地域
カンボジア:バッタンバン州サンカー地区 ノリア孤児院、オダンバン平和の家
背景
カンボジアには約67万人もの孤児が存在する(2005年、ユニセフ)。また、カンボジアは縁故社会であるため、身寄りのない孤児が職を得ることは難しい。
実施団体では、1999年より、カンボジアの子どもの経済的自立と精神的自立を目指し、孤児院への支援を実施している。経済的自立を促すための支援としては、カンボジアに数多く存在する英語を使う職業(英語教師、ツアーガイド、NGO職員等)に注目し、孤児院の子どもを対象とした「英語教育支援事業」を実施。孤児院出身者が教師となるよう、2010年から「英語教師養成授業」も開始した。また、精神的自立を促すための支援として、創造力やコミュニケーション能力といった人間が持つ多様な内面的能力を伸ばすために、総合教育事業として、日本人の若者との「交流事業」に取り組んでいる。さらに、カンボジア国内で理科教育が十分に行われていない現状を受け、理科実験を提供し、理科の知識向上を図るとともに、子どもの可能性を広げる試みを行っている。
本事業では、これまで取り組んできた「英語教育支援事業」と「理科実験事業」を継続的に行うことができるよう教師を雇い、環境を整備する。とくに理科実験事業では、これまで日本人を派遣して実施してきたが、カンボジア人を雇用することで月1回、理科実験ができるようになる。また、子どもとの距離を縮めるだけの交流ではなく、教育団体として教育的要素を盛り込んだ活動を実施する。
目的
@英語教育支援と交流事業、理科実験事業を行うことで、より多くの孤児院の子どもに、
社会で活躍する可能性を与える。
A音楽や文化紹介、運動会などの交流事業を実施し、子どもの興味を刺激する。
B子どもに理科実験を提供し、科学的思考力を身につけさせる。
実施した活動
@英語教育支援(「ノリア孤児院」、「オバンダン平和の家」において計14人が受講、週1回)
現地の教師が作成したカリキュラムに基づき、ノリア孤児院では、ライティング、リーディング、リスニングを、オバンダン平和の家では、リーディング、リスニング、スピーキングを学習した。
A英語教師養成授業(ノリア孤児院で3人が受講、週1回)
教授法の教科書を用い、現地の教師が作成したカリキュラムに基づいて、英語力の向上と教鞭法を指導した。
B理科実験授業(オバンダン平和の家で、各回10〜20人が受講、月1回)
現地教科書をもとに作成したカリキュラムに基づき、現地教師が授業を行った。
C交流事業(両孤児院、近隣小中学校の子ども計178人が参加)
交流事業として、衛生教育、密度の実験、世界の地理クイズを実施した。