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タイに居住するビルマ人難民に対する人権・民主主義に関する教育支援(継続3年目)

特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ

対象地域

タイ:ターク県メーソット郡

背景

 ミャンマー(以下、ビルマ)では、軍事独裁政権のもとで、人々、特に少数民族の人権が尊重されず、様々な人権侵害が長期にわたって継続してきた。こうした人権状況を変えるには、人権保障・民主主義の観念の普及と、人権保障の観念を基礎に置いた次世代のリーダーの養成が重要であるが、軍事政権下で言論が抑圧され、国内での自由な教育は著しく困難である。
 そこで、タイのメーソット郡にある「ビルマ法律家協会」は、2006年3月に、人権保障・民主主義の次世代の担い手、法律家を育成するために、「ピースローアカデミー」(PLA)を設立した。同郡は、ビルマとの国境沿いに位置し、ビルマからの難民約14万人を抱える。PLAは、2年制の寄宿制学校であり、ビルマ全土から様々な民族の青少年が法律や国際的に保障された人権基準等を学んでいる。
 実施団体は、2009年度よりPLAで行われている人権保障や民主主義に関する教育について、講師の派遣や教育プログラムの検討などの人的・物的支援を行っている。2010年度と2011年度に今井基金から助成を受け、2010年度には、当時2年生の全学生24人、2011年度には新しく入学した1年生の全学生25人の教育を支援した。
 2012年度は、2年生となる全学生25人(10代〜20代半ば)に対して、前年度の経験を生かし、日本から専門家を講師として派遣して、学生らが人権や民主主義についての更なる知識と理解を得られるように支援をする。とくに、授業中に自分の意見・考えを積極的に発言する学生が固定化されてきていることから、すべての学生が議論に参加できるプログラムを組む予定である。また、理解が不十分な学生に対しては、個別指導等を行い授業中に発言できるようサポートを行う。

目的

 人的・物的支援を通じ、「ピースローアカデミー」における人権保障・民主主義に関する教育を充実させ、同教育の質的向上・規模的拡大を実現し、同校の運営に安定性・継続性をもたらす。これにより、ビルマにおいて、近い将来、人権保障・民主主義に基づく社会システムが実現することに資することを目指す。
 また、アジアその他の地域から新たに同校に対する支援者・支援団体・講師などを募ることで、一層の教育内容の充実及び同校の運営体制の強化を図ることも目指す。

実施した活動

 「ピースローアカデミー」において、2011年度に入学した25人と、2012年度に編入した1人を合わせた26人の学生に対して、教育活動を実施した。
 日本語講師を派遣し、国際人権法、国際人道法、公益的弁護士活動、人権擁護活動に有用となるネットワーキング作りなどに関する講義を行った。さらに、2012年8月から13年3月まで、アメリカ人講師1人を派遣し、国際人権法等の講義に関するフォローアップとアメリカ憲法についての講義を行った。これにより、学生たちの知識が定着し、応用力が深まった。