僻地・農村地域の学校における水供給と衛生概念向上支援〜子どもの健康改善に向けて〜
対象地域
スリランカ民主社会主義共和国:北西部州プッタラマ県アーナマドゥワ郡
背景
スリランカ人の8割が農村地域で暮らし、多くが貧しい農民である。スリランカは教育に力を入れ、90%以上の識字率を維持してきたが、近年、地方の学校では最低限の施設さえ整っていないなど、地方格差が拡大し、子どもが平等に教育を受ける権利が保障されない状況にある。
プッタラマ県アーナマドゥワ郡もそのような僻地・農村地域の一つであり、実施団体では、現地NGOと共に学校建設や環境教育の促進を行ってきた。その過程で、多くの学校で飲料水を確保する井戸の設置や、既存の井戸の修繕すらできておらず、気候変動の影響を受け、乾季には井戸が枯れる事も多いという現状を知った。水不足は、子どもたち衛生概念の発展を大きく妨げ、下痢などの健康への被害を引き起こしている。貧困・農村地域の子どもたちが健康で勉強に励む権利を平等に確保するために、水設備を整え、子どもたちの健康を改善し、安心して学校に行ける環境づくりが必要とされている。
目的
飲料水・生活用水の確保ができていない小学校4校を対象に、井戸および雨水貯蔵タンクを設置することを通じ、継続的かつ安全な水供給を行うと共に、子どもを対象とした衛生概念向上プログラムを実施し、より健康に学校生活を送れるように意識・習慣の改善を図ることを目的とする。また、これらの活動を通して、今後、地域住民が主体的かつ一丸となって問題に取り組んで行くモチベーションを高め、地域の自立や持続的発展への一歩につながることを目指す。
事業内容
@ 小学校4校において水・衛生問題対策委員会の発足
A 計画策定と情報共有
B 井戸建設(2基)・修繕(2基)、雨水貯蔵タンク(3基)を建設した。
      建設した小学校、および建設内容は以下の通り。
- Kivule Kele小学校:井戸建設、雨水貯蔵タンク
- Kottagama Shripali小学校:井戸修繕、雨水貯蔵タンク
- Swarnapaliyagama小学校:井戸修繕、雨水貯蔵タンク
- Karukkumaduwa小学校:井戸建設、雨水貯蔵タンク
C 衛生概念向上プログラム(各学校にて3回ずつ実施)
- 地域の公衆衛生官や医師を招いて、啓発活動と健康診断
- 高学年の子どもによる低学年向けの衛生管理指導
- 衛生管理向上をテーマとしたポスターの作成と展覧会の実施(各学校から約40名)