識字を通じて女性のエンパワーメントをはかる−ミナエコリ識字教室の実施−
対象地域
バングラデシュ人民共和国:チャンドプル県ドッキンバリア村
背景
チャンドプル県ドッキンバリア村は、首都ダッカの南方約280qに位置し、人口約20,000人である。殆どの村民が土地を有しておらず、農業・漁業などの日雇い労働、リキシャ(自転車タクシー)運転手など低収入かつ不安定な仕事で生計を立てる貧困層である。
近くにはメグナ川が流れ、対象地域の一部は洪水の被害を受けてきた。実施団体では、1998年の大規模洪水の際に緊急支援活動を行い、2000年より公立小学校の補習教室を始め、2004年から補習教室の児童の母親を対象とした識字教室を実施している。母親たちは、貧困のため、充分な教育を受けておらず、薬の容器に書いている文字が読めずに誤って投薬してしまう、自分の子どもの勉強内容を理解できず、子どもからの質問に答えることができないなど、日常生活に支障をきたしている。識字教室の実施については、地域住民の強い希望はあるが、政府や対象地域で活動する他のNGOによる取り組みはない。
本事業では、当該地域のみならずベトナムでも教育支援を行ってきた実績を持つ実施団体が、過去4年間の実績をもとに、対象地域の女性たちの識字教育を通じて女性の更なるエンパワーメントを図る。
目的
本事業の目的は、読み書き、計算の修得を通じて、裨益者たちの生活の向上・貧困問題の解決・エンパワーメントを促進することである。
また、1年間同じ教室で学ぶことにより、受講生(母親たち)は連帯感を持つと同時に、識字教室卒業生との交流を通じて、自分たちや自分たちを取り巻く地域が抱える問題を発見・共有し、その解決に向けて共に考えていくネットワークづくりを目的とする。
事業内容
- 識字教室:日常生活に使用する程度の読み書き、計算の習得
対象15名、1年間、木、金を除く毎日、午前10時−12時に識字教室を実施。受講生は、日常生活に使用する程度の読み書き、計算を習得した(2010年3月に実施した試験にて確認)。 - 卒業生との交流会の実施
月に1回程度、卒業生との交流会を実施した。卒業生の体験談の共有を行い、地域が抱える問題を話し合った。