自然循環式バイオトイレとバイオガス発生装置に併せた地域の保健衛生普及活動
対象地域
タイ王国:北タイ地域(パヤオ県ポン郡ナムカー村、チェンカム郡プラチャーパクディー村)
背景
タイ山岳民族の村落では、衛生環境も極めて悪く、便所は垂れ流しの集落が大半である。雨期になると、糞尿が地上にあふれ地下水を汚染させると共に、寄生虫・はえ・蚊等が異常発生し病原菌の繁殖を促し食生活、健康・衛生環境が損なわれ、極めて劣悪な状況となっており、衛生環境の改善が急務とされている。
実施団体が進めるエコトイレシステムは、人の生活環境の中で無駄なく自然の作用を最大限に活用したシステムであり、電気・動力など人口のエネルギーを必要としない。設置も安価で、畑としての利用や、地下水の安全性・病原菌からの回避、燃料確保ができる。
本事業は2008年度からの継続であるが新規の対象地である。2008年9月に実施団体が関わる村において異常豪雨による土石流が発生し、パヤオ県ポン郡ナムカ1村の耕作地の3分の1が消滅したため、同村(全世帯40戸300人程度)において共同トイレを設置するほか、チェンカム郡プラチャーパクディー村(人口約1,300人)で保育園のトイレ1か所の改修工事を行う。
目的
タイ国の山岳少数民族の村において、便所の糞尿を嫌気処理し、無放流、メンテナンスフリーのエコトイレシステムを設置すると共に、嫌気処理の過程で発生したメタンガスを家庭用燃料として使用する一連のシステムの開発普及活動を行う。トイレからのガスにより家庭用燃料の確保を図り、薪の使用を減少させ、地域の森林を守り、エネルギーの節約と地球環境保全に寄与するとともに、地域の人たちとの協働により保健衛生を中心とした生活全般にわたる知識・意識の向上を目指す。
事業内容
@2村の保育園においてエコトイレを村の住民とともに建設した。
- チェンカム郡プラチャーパクディー村保育園:2009年12月
- ポン郡ホイプム村保育園:2010年3月完成
A保健衛生の知識と意識の向上のためのセミナー・ワークショップを実施した。