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貧困家庭の就学前児童教育と母と子の養豚奨学プログラム

特定非営利活動法人 アクセス−共生社会をめざす地球市民の会

対象地域

フィリピン:ケソン州 アラバット島 ペレーズ地区

背景

フィリピンでは、義務教育である小学校7年制を国家財政上の理由で6年に短縮したため、1年生で教育すべき読み書きや算数などを、入学準備校で学ぶことを義務付けている。しかし、対象のペレーズ地区では、ほとんどの住民が土地なし農民(ヤシ林小作人)で家族の1ヶ月の収入が1,980円という絶対的貧困下にいるために学費や教科書代が支払えず、多くの子どもたちは入学準備校に行けず、したがって小学校へ入学することが出来ない。また、たとえ小学校に入学したとしても、通学を続け卒業することが難しい経済状況下にある。

目的

  • 家庭が貧困のために入学準備校に通 うことが出来ない子どもたちに、無償で入学準備教育を実施し、小学校への入学を促進する。
  • 小学校への就学が困難な子ども達を抱える小作人の家族が自ら家庭養豚の技術を習得し、母と子による飼育労働を行うことによって得られる利益で、小学校への継続的な通学および卒業を実現する。

事業内容

当団体ペレーズ支部のカリカサン入学準備校運営委員会の主導により「貧困家庭の就学前児童教育」、母と子の家庭養豚奨学協働組合の主導により「母と子の養豚奨学プログラム」を実施する。

【 貧困家庭の就学前児童教育 】

  • 資金不足で中止していたカリカサン入学準備校の午後クラス(“今井記念クラス”と称する)を開設(午前クラス35名への支援は自己財源で既に実施中)
  • 今井記念クラスの35名の奨学児童(家族の1ヶ月収入が6,600円以下の5〜9歳の子どもたち)を募集・選考(家庭訪問・面接による)
  • 今井記念クラスの先生(開校以来3回当準備校の臨時教師を担ってきた先生)を雇用
  • 5教科(国語、英語、算数、理科、社会文化)の授業を行い、年4回公式テストを実施
  • 欠食児童への給食(PTAの炊事により週2回お粥を配食)
  • 入学式、卒業式、野外授業、グループ誕生会(月1回)、PTA総会(年3回)などの開催
  • 卒業生の小学校入学手続きを支援

【 母と子の養豚奨学プログラム 】

  • 就学が困難な子どもたちを抱える小作人家族(1ヶ月収入4,400円以下)から20家族を選考(うち10家族のみが本基金の対象)
  • 「母と子の家庭養豚奨学協同組合」の目的、規約、支援者の性格や想いなどに関する説明会を対象者に対して実施
  • 各家庭にブタ小屋を建設し、ブタの生理、疾病、寄生虫に関するレクチャーを実施(6月)
  • 仔ブタ1頭と離乳時飼料を各家庭に配給し飼育の実地指導(技術指導員2名による巡回指導)を年2回実施(6月・12月)
  • 特に、第2回目の実地指導では飼育記録簿、戸別出納帳の質法と記入方法の指導を開始
  • 成ブタ出荷(10月、翌年4月):純利益を奨学金として分配
  • 家族養豚技術認定証の授与、卒業した家族に自立のための仔ブタ1頭と120日分の4種飼料を供与
  • 卒業した家族による家庭養豚の独立経営