保健ボランティア育成によるモロの村の医療改善事業
対象地域
フィリピン:ミンダナオ島 サランガニ州/ジェネラルサントス市/スルタンクダラト州/ダバオデルスール州における7村
背景
少数民族モロは、最貧困とイスラム系住民への偏見により、高価な私的医療サービスはおろか、頼るべき公的医療サービスからも疎外されている。当会は過去3年間にわたり、これらのモロの村において、保健ボランティアの育成、ヘルスワーカーの家庭訪問による衛生改善指導、巡回診療を実施してきたが、その対象地域は限定され、医療サービスを受けられない地域でのニーズが高い。
目的
- 貧困と医療サービスの不足による妊産婦と乳幼児の死亡率を減らす。
- 保健ボランティア育成や薬草利用など、住民参加による医療問題解決の方法を学び自信を取り戻す。
- 保健ボランティア育成の実績を示し、地域医療における将来の行政との協働につなげる。
事業内容
当会の現地駐在員の指導・管理の下、現地カウンターパートPasasambao Integrated Health Service(PIHS)の医療スタッフやボランティアが以下の事業を実施する。
- 医療衛生(特にプライマリヘルスケア)の基礎知識と技能を持つ保健ボランティアの育成(4ヵ村で計35名に4日間にわたる講義や各種実技研修を4回実施)
- 保健ボランティアによる住民への栄養・衛生指導や簡単な治療を実施
- 常備薬(医療品・薬草)センターの設置(3ヵ村に各1棟)
- 幼児の疥癬や結核患者の多い村への巡回診療の実施(3ヵ村で年2回)