• 基金設定者について
  • 当基金の概要
  • 助成事業一覧
  • これまでの助成実績
  • 受益団体からの声
  • 公益信託制度とは
  • 応募するには
  • お問い合わせ
  • サイトポリシー

カンボジア農村部でのオンライン診察と農業指導をセットにした栄養教育事業

特定非営利活動法人HERO

対象地域

カンボジア:シェムリアップ州バコン郡スナーソンクリァーン村

背景

事業対象地(スナーソンクリァーン村)は人口248世帯(1,112人、2021年9月末現在)で、シェムリアップの中心部から車で約1時間に位置する。実施団体は、2011年の設立以来、カンボジア4州にて計28校の公立小学校を建設し、授業料・教科書代無料の運営に取り組んできた(うちシェムリアップ州では20校を運営)。スナークソンクリァーン村では2017年に小学校の校舎を増設し、その後も継続的に村内に5か所の井戸の設置や、住民向け医療支援などを行ってきた。2019年12月には同村の貧困家庭の生活状況ヒアリング(回答者44人、うち40人が40歳以上)を実施ししたところ、回答者全員が学校を卒業しておらず、日雇いの仕事で月収は15-30ドル/人、全員が移動手段(バイク・車)を持たず、最寄りの市場や病院への移動費は往復5-6ドル、全員が月に1-2回市場へ買い出しに行き、また約半数が月1-2回病院へ通院していた。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、「適切な社会的保護がなければ貧困率が8%増加し、新たに134万人が貧困状態に陥る可能性がある」との試算があり(UNDP)、前述のヒアリング結果よりもさらに貧困状況が悪化している可能性も考えられる。

実施団体は通学のためには健康状態が重要であるとの認識から、2015年にシェムリアップ市内にクリニックを立ち上げ、子どもたちの健康診断、歯磨き教室を実施してきた。健康診断や前述の調査の結果、健康状態の悪さの背景には食事の栄養バランスの悪さがあることが見えてきた。貧困により多様な食材を調達することができず、栄養バランスが悪化し、体調不良から病院への受診機会が増え、病院への移動費や医療費によって家計が圧迫され、収入を得ても貯蓄ができず貧困状態から脱却することができなくなるという悪循環が発生している。この状況を改善するために、2020年11月より当該村の1家庭から協力を受け、200平米の農地を新たに開墾し、現在まで23種類の作物を育ててきた(当該農地は村の貧困家庭のもので、農地使用料と作物の管理費として月額100ドルを支払っている)。土壌調査を行い、土壌改良や太陽光殺菌の有無などで農地を3区画に分け、雨季と乾季での作物の育てやすさとコストを把握した。本申請事業では、現在までの経験と知見を活かし、栄養バランス教育を中心にオンライン診察と農業指導をセットにした事業に取り組む。

事業内容

@村人を対象とした説明会の実施(4月、村人50人が参加)
Aオンライン診察(州中心部の医師と連携し、月3ドル+薬代実費でオンライン診療を提供)
B栄養教育