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現地ラジオ番組「VOICE OF HEART」と村内ワークショップを通しての地雷・不発弾危険回避教育

一般財団法人 カンボジア地雷撤去キャンペーン

対象地域

 カンボジア王国:バッタンバン州、バンティアイミエンチャイ州

背景

 カンボジアでは、1970年代から1990年代まで続いた内戦により、約600万個の地雷・不発弾が埋設されており、戦争が終わった今でも被害が後を絶たない。被害者の多くは、インフラが整備された都市部から隔離された、電気、ガス、水道のない貧しい農村で働く人々である。父親が地雷被害により障がいを負った場合、家族は働き手を失い、学校に通っていた子どもが働きに出たり、治療のために土地や家畜を売ったりすることを余儀なくされている。このように、地雷・不発弾被害によって貧しい者がさらに貧しくなるという現状がある。
 タイ国境に隣接するバッタンバン州とバンティアイミエンチャイ州は、特に地雷・不発弾による被害の多い地域である。2009年のカンボジア全土での被害者数は244名であったが、うち136名(全体の約56%)がこの2州で被害を受けた。また現地からの最新情報によると、2010年の総被害者数は260名と前年を超えたとのことである。
 しかし、内戦終結後からの時間の経過や世界不況の影響などによって、政府統括の地雷撤去チームや海外NGOチームでは、チーム運営のための支援金を得ることが難しくなっている。このため、いまだ地雷が存在し被害も後を絶たないにもかかわらず、撤去チームを減らさざるを得ない状況にある。
このような状況を受け、実施団体では、まず「被害に遭わないようにする」ことを最優先に考え、過去5年間、現地でラジオ番組「VOICE OF HEART」を放送し、地雷回避教育や被害者の心のケアを実践してきた。本事業では、より地雷回避を強く訴えるため、番組放送に加え、現地を訪問し地域の有力者や住民に対して地雷回避教育を行う計画である。

目的

@ 地雷・不発弾の危険性を啓蒙し、新たな地雷・不発弾被害を減少させる。
A 地雷・不発弾被害者をはじめとする障がい者に、有益な情報を提供する。
B 地雷・不発弾被害者をはじめとする障がい者が、逆境にめげず、前向きに生きようと
     する気持ちを持ってもらう。
C 地雷・不発弾被害者をはじめとする障がい者が抱えている苦労や悩みを、人々に理解
     してもらい、彼らに対する差別・偏見をなくす。


実施した活動

@ 地雷・不発弾被害を受けた生存者へのインタビューとラジオ番組での紹介
A ラジオ番組の制作と放送
     (バンテアイミエンチャイ州 、バッタンバン州で各17回)
B 地雷・不発弾危険回避教育ワークショップの開催
     (バンテアイミエンチャイ州で計2回、バッタンバン州で計5 回)

成果

ラジオ番組の制作と放送を通じて、障がい者の心のケアや社会復帰を促進するとともに、地雷・不発弾の危険回避の啓発を行った。
新しく移住した土地で開墾をして地雷・不発弾の被害を受けたり、農業の機械化によって地中深くの対戦車地雷を暴発させてしまう事故が増えている。このため、これらのリスクの高い地域や事故が発生した村で、情報収集や家族へのインタビューを行い、ラジオで放送した。ラジオ放送と現場での危険回避教育をリンクさせることで、より大きな影響を与えることができた。
地雷・不発弾の被害を受け、障がいを持ちながらも、社会復帰し活躍している成功事例をラジオ番組で取り上げた際には、番組放送中のリスナーからの反応が良く、多くの共感を得ることができた。また、事故に遭い障がいを負った方を紹介した際には、リスナーから励ましのメッセージが届き、それを聞いた本人が元気づけられることもあった。